みなさんこんばんは。
満月の日の夕方配信される東京庚申堂の読み物、
六回目の今日は、ふとした思いつきのお話です。
蟲話06 「宗教法人化への道」
◆ 日曜日の思いつき
東京庚申堂が「宗教法人」を名乗ることができたら
けっこう面白いかも。
そう思いついたのは、ある日曜の昼下がりのことでした。
もちろん、きっとそう簡単には認証されないでしょう。
でも今後なんとか頑張れば、数年後にはひょっとして
うまく認証されちゃうかもしれない。
そう思って宗教法人の設立について調べてみました。
◆ 宗教法人の作り方
宗教法人の設立や運営は、「宗教法人法」という
法律に基づいておこなわれているようです。
宗教法人は公益事業に係る法人税と、
宗教施設に係る固定資産税等が非課税になります。
ようは寄付に税金がかからないってことでしょうか。
まあ年商10万円、寄付金320円の庚申堂には関係ないけれど、
これはあきらかに優遇ですね。
宗教法人の所轄庁は、その主たる事務所の
所在地を管轄する都道府県知事とします。
ということは、ぼくらの場合窓口は都庁になります。
ふむふむ。
宗教法人の設立には、以下の項目を満たす
宗教団体が存在していなければなりません。
いよいよ来ました。
まるで雑誌の適性度チェックをやってみる心境。
よし来い!
-> 一定の教義があること
これは大丈夫。yes.
古く道教より連綿と受け継がれてきた教えがあります。
-> 儀式行事を行っていること
これも当然大丈夫ですね。yes.
庚申堂はきっちり60日に一度、庚申講をやってます。
-> 信者がいること
まあこれもOKでしょう。yes.
毎回の講には、人が集まってきてくれます。
-> 公衆礼拝の施設があること
お、ありますとも。yes.
庚申堂本堂には、立派な祭壇だってあります!
-> 宗教教師がいること
いるいる!
それはぼくです!yes!
・以上の要件を備えた宗教団体で、
-> 過去数年以上活動実績を有すること。
庚申堂は今年で4年目!
だから丸三年は実績があります!!
よって、yes!!
…あれ、これでおしまい?
ということで、条件はなんなくクリアしてしまいました。
ならばこれは…、やってみるしかないではありませんか。
◆ いざ、都庁!
「んー、だめですねこれは。礼拝施設が賃貸じゃあ」
その週のある日、会社を抜け出して
都庁の生活文化局都民生活部管理法人課に出向いたぼくは、
意に反して簡単にダメ出しされました。
そう。どうやら礼拝施設は、自前じゃないとダメみたいです。
余談ですが都庁の担当職員は、鼻息あらく迫る
目の前の若造(ぼく)を、あからさまに招かれざる客扱い。
いろいろ上記項目をチェックしたあと、礼拝施設のところで
鬼の首をとったかのように勝ち誇って云いました。
サービス業の自覚なき浅はかな高姿勢に
「この税金ドロボーめ!これだからアンタらはいつも、
小役人ってバカにされるんだ」
という思いに駆られましたが
よく考えると、こんなネタのために公務員つかまえて
時間食ってる自分のほうが税金ドロボーか、と思いなおし、
そこは矛をおさめて帰りました。
◆ 求む
てなわけで、庚申堂は宗教法人にはなれませんでした。
でも、「なんだ、そんなことなら土地と建物をくれてやる」
という、粋でお金持ちな個人もしくは企業がありましたら
すぐ私までご一報ください。
たぶん、あと土地と建物さえあれば、認可おります。
■
ここのところ雨続きで肌寒くて、
とうとう夏も終わっちゃった感がありますね。
今日は曇り空を眺めながら、
過ぎ去った夏の日々に思いをめぐらせてみる、
なんていうのはいかがでしょうか。
次の満月は、九月二八日です。
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