東京庚申堂 > 庚申堂ラボ > 一晩で、手品100個やってみた。
page 1/2 にぎやかな前半戦
怪談は怖いのでやめて手品にします
はじめは、「百物語をやってみよう」という企画だった。みんなで怪談を語り、一つ終えるたびにローソクの火を消す。100話を語り終えて真っ暗になったとき、何かが起こる、というアレだ。
しかし周りの、特に女性から「そんなことして、本当に何か起こったらどうするんですか!」とあんまりいい反応が得られなかった。たしかに、本当に何かが起こったら、とうてい責任は持てそうにない。そこで、何かが起こらないよう、怪談をやめて不思議つながりで「手品」を100個やってみることにした。
ところで手品を100個といっても、よほど好きな人じゃないとそんなに知らないし、見たこともない。そこで、困った時のダイソー頼み。100円で買える手品グッズをしこたま大人買いする。またトイザらスでは「選び抜かれた120種類のマジックを収録」と書かれた頼もしいセットをみつけたので、即購入。初心者用の手品解説本や科学手品のやり方が書かれた新書もあわせて買った。これらを使い、参加者みんなで手品を習得しながら100個演じきるのだ。
そしてさらに今回、その道の達人も招聘。プロのマジシャンとして活躍していた過去を持つサラリーマンU氏に依頼し、みんなの演技を指導してもらいつつ、いくつか実演もお願いする。またコマ回しの伝統芸能をいまに伝える独楽徳ノ介師匠も急きょご参加いただくこととなり、これで量だけでなく質の向上も担保できた。

20時。長い挑戦が始まる
平日の夜、人が集まり、手品合戦が始まった
最初は、各参加者の持ちネタの披露が中心となる。この会のために練習し仕込んできた人もいたが、「もとから自分の持ちネタとして覚えている」という手品を見せてくれた人も思いのほか多かった。やはりそういった芸の一つや二つ、持っておくのが大人のたしなみなんだろうか。
各自の持ちネタ披露が一段落すると、いよいよ新しい手品習得&実践の時間となる。
できるようになったら手を挙げ、スタンバイしたカメラの前に行き、覚えたての手品をみんなに見てもらう。うまくいって拍手をもらえたら、カウント。失敗し、タネがばれちゃったらノーカウントで100個のうちには入れないということにした。

シロート芸の合間に光る、プロの妙技
ころ合いを見て、U氏に参考としてプロの技をみせてもらう。さすがに演技に危なげがなく、美しい。参加者は自分たちも演者であることを忘れて、しきりに感嘆の声をあげた。演じていただいた手品ももちろんカウントに入れる。

さらに徳ノ介師匠もオンステージ。厳密には手品ではないが、師匠の操るコマはただ回るだけではなく生き物のようにさまざまな動きをし、ある意味手品以上に不思議なエンターテインメントだった。
さまざまな手品を見まくり演じまくって、ようやく半分の50個を達成した。