ヒラヤマ登頂記

三人旅シリーズ(1)

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page 3/3 ヒラヤマを降りる

近道で下山

さて、用もすんだので、さっさと帰ることにする。急げば、さっき引き返した若い方と同じ電車で帰れる。そこで相談の結果、来た道と反対側に降りることにした。山の裏側から登ったんだから、逆に降りれば駅前に出る、という道理だ。

下から見えていた鉄塔をくぐり
すでにまったく道とは呼べないルートを進む

そして案の定、迷った。道がないため、どっちに進んだらいいかわからない。時間の感覚もなくなっていき、本気で遭難するんじゃないかと焦りだした。登山が趣味だった父の「山をなめるな」という言葉がいまさら心に響く。

方角はわかるが、肝心の地図がない

少し開けた場所に出た時、メガネが突然腰を落とした。お腹でも痛くなったのかと駆け寄ると、笑っている。彼の指さす先には、見覚えのあるイノシシ用の罠があった。そこはまさに、昼ごろ怖くなって引き返した場所だったのだ。

「どうした!?」
頂上に着いたとき以上の笑顔!!

東京に帰る

駅では若い方が待っていて、無事に一緒の電車で帰ることができた。登頂できたのかと聞かれたので自慢げに答えたが、それほどうらやましそうでもなかったのが印象的だった。

「お疲れさまっす」
電車を待ちながら、状況報告

山といっても小さいものだし、と高をくくっていたが、さすがになんの準備もしないで登ると結構スリリングだった。本物のヒマラヤにはとてもかなわないが、ある程度の達成感(とくに下山できたときの)が味わえたのは、嬉しい誤算だったといえる。
毎度のことながら、でも今回は特に、なんの情報も与えられないまま快く参加してくれた二人に、感謝いたします。 どうもありがとう。

帰りは三人とも爆睡
date:2009.06.20