ヒラヤマ登頂記

三人旅シリーズ(1)

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page 2/3 ヒラヤマを登る

登山口探し

店を出てすぐ、目の前に見える山を指差し「あの山に登ります」と宣言すると、二人は「はーい」となんの疑問も抱かずに歩き出した。ありゃ。すっかり単なるピクニックに来た気になっている。

これが平山。やはり小さい

とりあえず、山への登り口を探して駅前の通りを左に進むが、なかなかみつからない。それっぽいけもの道にムリヤリ入ってみたが、どんどん草深くなり、さらに道が途切れたところにイノシシかなにか用の罠みたいなものがあって、怖くなって引き返した。

「これってちゃんと道なんすかねえ」「さあ」
うわ、イノシシとか出ちゃうのか

すっぱりと方向転換し、駅から出て右側の道を行く。しかしこちらがわも道に沿ってセメント斜面が続いていて、登り口など見つかる気配すらない。その途中、やっと一人が今回のネタに気がついた。
「もしかしたらこれ、平山登りとヒマラヤ登りのシャレじゃないですか」
「正解!」

「……」

登山開始

ほとんど半周して山の裏側にまでまわりこんだころ、地元のおじいさんをみつけたので、相談してみる。「この山を登りたくて東京から来ました」というと、当然ながら怪訝そうな顔をしていたが、登り道まで案内してくれた。

登り口はおじいさんの家の裏手にあった。ラッキー!
「ここから中腹まではたぶん道があるよ」

おじいさんに丁寧にお礼をいって、いよいよ登山を開始する。
しかし教えてくれた道はかなり急で、ぼくらの感覚では道とはいいがたいものだった。(これはキツいな)と思ったものの、下でおじいさんが見守ってくれているため、引き返すこともできない。仕方なくなんとなく道っぽいルートを探しながら、ひたすら上を目指した。

軽い気持ちで来たのに、思わぬ難所が続く
おじいさんのいったとおり、中腹の広場に到着

ここで、若い方が夕方から東京で仕事があるため、大事をとって引き返すことにする。万一、山の中で迷って電車に乗り遅れたら、次の電車は2時間来ないのだ。

ついに登頂!

残った二人で、さらに道なき道を登る。20分ほど歩いたころ、ついに頂上とおぼしきいちばん高い場所に到着した。

抜けがよくないが、たぶんここが頂上だと思う

ついに目的達成!地元の人をはじめ、この地を訪れた人は多いだろうが、「(ヒマラヤに似た)ヒラヤマを登頂」という意識でここに立った人間は、たぶん我々がはじめてだろう。

date:2009.06.20