page 1/2 白虎&朱雀の章
中国四千年の結界を我が家に
「四神相応」という言葉がある。
方角をつかさどる4つの神獣(青竜、朱雀、白虎、玄武)に囲まれた場所は栄える、という、中国の風水から来た考え方だ。普通は玄武=山、青龍=川というように地形があてられていて、たとえば京都の街はそれにぴったりだったから永く反映したといわれている。なるほどそれは効きそうだ。
だが地図を開いて調べてみたが、残念ながらぼくらの拠点である東京庚申堂本堂(墨田区向島)は、どうみても四神相応にはなっていなかった。だったら逆に、ウチがそういう配置になるようにしちゃえば、とも思ったが、実際に山や川をつくるのは難しい。
そこで別の方法を考えてみた。中国といえば、ラーメン。そして神獣にはそれぞれ青、赤、白、黒の色がついている。これだ!
ということで、ウチから東西南北に、それぞれの色のラーメンを探し、一晩で食べて回ることにした。定めたルールは、以下の通り。
- あらかじめネットで調べた、東西南北方向にある店で青赤白黒色のラーメンを食べる。
- 時間は、夕方から翌朝まで。一晩での全制覇を目指してみる。
- 食べる順番は自由。というかラーメン屋の営業時間と行き着くまでの距離を考え、戦略的に巡る。
白虎(西)in万福(高円寺)
最初に訪れたのは高円寺にある万福という中華料理屋さんだ。ここには、その筋には有名な「牛乳ラーメン」というオリジナリティあふれるメニューがある。 同行者は、平日夕方からいっしょに遊んでくれる自由人、水ケンくん。ちなみに彼の本業は、俳優(の卵)だ。
さっそく、牛乳ラーメンを注文すると、店のオヤジさんが冷蔵庫から牛乳をとりだしてつくりはじめた。そして出てきたラーメンが、これだ。
白っぽいのではなく、白い。恐る恐る口にしてみると、これがほどよくダシが効いていて美味い。実はネットでの評判で、美味しいことは知っていたのだが、想像以上にイケる味だった。これは幸先のいいスタート。
朱雀(南)in太陽のトマト麺(錦糸町)
万福を出た我々は、一晩のラーメンのハシゴのお供となるレンタカーを借りた。途中合流する仲間たちを拾って、二軒目のある錦糸町に向かう。
南の朱雀に選んだラーメン屋さんは、「太陽のトマト麺」。店名の通りイタリア産トマトを3つも使ったスープが自慢の「太陽のラーメン」が人気だ。途中合流した参加者とともに店に入る。