三猿
庚申講の人気キャラクターであり(蟲話第九回参照)、また日光東照宮の厩舎の彫刻でもよく知られている、「見ざる、聞かざる、言わざる」の三匹の猿。
まとめて三猿(さんざる/さんえん)などと呼ばれて親しまれている彼ら、当然「○○ざる」の否定形と「サル」の洒落から生まれたものだと思いきや、意外なことにそうではないようです。
なぜそういえるか、というと、三猿のモチーフは世界中でみられるから。起源はよくわかってないのですが、古来よりインドやアフリカ、そしてサルのいないヨーロッパや朝鮮半島にも多く三猿像が広まっています。世界各地の三猿像の写真がたくさん載った「世界の三猿」(中牧弘允/東方出版)なんて本まで出版されているくらいです。
四猿
その「世界の三猿」には、三猿のバリエーションとして、「せざる」を加えた四猿がしばしば登場します。「せざる」のサルは、両手を股間にあてているポーズ。文字通り、性行為を禁じる役割です。
ん?そういえば庚申の日の注意書きにもたしか、「同衾を避けること」とありました。三猿だけじゃなくてこの「せざる」も、庚申になじみが深そうです。
神さまがうまれる
ではここでひとつ、庚申のためのサルも考えてみることにしました。夜を徹して蟲を見張るのが庚申講だから、一番の「○○ざる」はやはり、「寝ざる」になるでしょうか。
「寝ざる」というと、目を見開いているのかな、などと考えながら、ノートに走り書きをしているとき、紙の上でちょっとした奇跡が起きました。
寝ざる → ネザル → ネ申 → 神 (!!)
はからずもここに、「神」がご光臨!
五猿
ということで、三猿に「せざる」と「寝ざる」を入れて、全部で五匹。庚申のための新しいモチーフ「五猿」が生まれました。
五匹のサルは「ごえん=ご縁」につながるとされ、わりと昔から、「月と五猿」などの吉祥画としてありがたがられていた様子。
ならば、人と人との「ご縁」の中で活動しているわれわれ東京庚申堂の象徴としても、「見ざる、聞かざる、云わざる、せざる、寝ざる」の五猿は、まさしくぴったりの存在です。
この話をうけて、友人であるデザイナーの鈴大くんが五猿のマークをつくってくれました。
なかなかにポップで気にいっています。
てなわけで、ぼくらのネットワークの神さまが、ここに誕生。人脈つくりに千客万来、IT起業から縁結びまで。ご縁に悩める小猿たち、寄ってらっしゃい。
信じるものはみな、つながれる。どんどんつながって、独りじゃできない新しいなにかを、いっしょに生み出していきましょう。